2024年02月08日
症例)初期の四十肩に鍼灸が有効だった一例
症例など

202X年10月初診 40代 女性 勤務
状況
4日前頃から左肩と左腕に痛みがあり、だんだん痛みが強くなってきている。今は激痛のため腕を自由に動かせなくなり、固まっている。在宅勤務は何とかこなしているものの、激痛のため家事もできず、寝る姿勢も取れないため不眠、服を着るのも容易でなく、生活全般で何もできなくなってきている。整形外科でもらったロキソニン、ブロック注射も効かないためどうしていいかわからない。
東洋医学的な見方と施術
左肩腕を庇うように硬直した姿勢で来院された。
激痛のため左腕の前後屈、外転内転、外旋内旋、結髪結帯動作全ての動作ができない。ベッドに仰向けで寝るのがやっとでうつぶせになることが出来ない。患者着に着替えられない。たいそう辛そうである。思い当たる原因としては、前日に重いものを持ったこと、久しぶりにピアノを弾いたことぐらいかなあ、とのこと。
●肩の最も痛い場所
手の陽明大腸経の肩髃(けんぐう)付近。
●問診/聞診
最近寝汗、喉の渇き、中途覚醒など更年期のような症状がある。キーンという高音の耳鳴り。喉が塞がる感じ。目の下のクマが気になる。子供のころから喘息もち。化学物質過敏症の気がある。
●腹診
臍の左側(左天枢)と下側(中注)に硬結圧痛が確認された。
●脈診
細緊数、寸口が弱い。
●舌診
舌質淡紅、舌苔薄白、痩舌。
(舌診より、陰虚はそれほど進んでいないとおもわれる。)
●弁証
陽明経の異常による不通則痛の肩の痛み。ベースに気滞瘀血。
●治法
陽明経の疎通経絡
●施術と経過
反応のある陽明経のツボに鍼が響くように刺鍼した状態で苦手な肩の運動をしてもらった。何通りかのツボの組み合わせをで同じように刺鍼し運動を繰り返してもらったところ痛みが引いた。何とか日常生活を送れそうということで、一週間後に再診を予約してもらう。
一週間後の再診時、左肩の痛みがなくなり、腕を回せるようになったことを確認した。家事も仕事も元通りこなせるようになり睡眠も良好。今後は他の症状を改善したいとのこと。
配穴
肩髃、上尺沢、手三里、合谷、上巨虚、蘭尾
肩関節周囲炎、いわゆる四十肩、五十肩は完治までに半年から一年以上と長期化することが多い。この例では、発症後4日で鍼灸を受けて一週間という短期間で改善した。四十肩、五十肩になった場合、早めに鍼灸を受けることをお奨めしたい。
長期化した肩関節周囲炎は鍼灸をもってしても難治であることが多いと感じている。
首肩こり、腰痛、寝違え、ギックリ、不定愁訴に はり灸処まんねん堂
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