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2024年07月10日

症例)不登校に鍼灸が効いた2例

NEWS 日々のツボ


不登校中の中学生と高校生が、鍼灸による「気」の滞りの改善と栄養等の生活習慣の見直しによって何とか登校できるようになった例を2つ紹介します。

まず前置きとして、不登校生徒に共通すると思われる東洋医学的な病理について簡単に触れたいと思います。

不登校生徒にみられる気滞・気逆とは?
東洋医学で扱う「気・血・水」とは、生命を維持する上で必要な基本物質です。気・血・水の巡りが悪くなったり不足したりすると、身体に不調となって現れます。
中でも「気」は生命活動の基本となるもので、気の働きが失調する病証には、気の不足である気虚、気の滞りである気滞、気の逆流である気逆、気の落ち込みである気陥があります。

中でも「気滞」は、気の正常な活動が阻まれて停滞すると発生し身体に張りや詰まりを生じるのが特徴です。生活リズムやが乱れて不登校になったりと何かと生活に支障をきたすようになります。
気滞の主な症状は、以下の通りです。
抑うつ感、ため息が良く出る、梅核気(咽に何かが挟まってつかえた感じ)、胸や脇腹お腹が張りやすくガスが出ると楽になる、イライラする、便秘と下痢をくりかえす、暴飲暴食、PMS(生理前緊張症)

「気逆」は気滞に類似していますが、気の流れの異常によって、本来は身体の下方向に向く気の流れが逆方向の身体の上部に逆流してしまう現象です。
主な症状は以下の通りです。
げっぷ、しゃっくり、咳、頭痛、吐き気、めまいなど頭部の症状が多い。

気滞・気逆とも過度にストレスを受けたことが原因で起こることが多く自律神経失調症状と似ています。また、不登校が長期化すると血虚や気虚となって治癒に時間がかかるケースも多いのではないかと思われます。

鍼灸は特に気の調整に優れており、気滞・気逆といった気の病証に効果が表れやすいと感じています。

次に、改善が顕著であった2例を紹介します。





202X年9月初診 中学1年 女性
【主訴】不眠
【現病歴】
夏休み中から目がさえて寝つきが悪くなり朝起きられなくなった(本人曰く「昼夜逆転生活」)。中途覚醒もあり。新学期が始まってなんとか登校できていたが、9月の生理が重く生理後は朝全く起きられなくなり学校に行けなくなった。体位性頻脈(起立性調節障害のサブタイプ)と診断された。
【不随症状】
・頭痛、めまい、こむらがえり、ため息が良く出る、イライラ、ストレス
・眼精疲労
・吐き気、胸やけ、げっぷ、しゃっくり
・寝込むほど生理痛がひどい
・過多月経
・手足のほてり、寝汗、手汗、口渇、便秘
・耳鳴り、夜間尿
・音に過敏
・手指の爪が反っている
・脂肪便
【所見】
脈弦 舌質淡紅 舌尖赤 舌苔薄白 拒按 
【弁証】
肝気鬱血→肝火上炎→心火上炎 
肝血虚→肝陰虚
【病証】
元々、過多月経や目の酷使があり肝血を消耗する傾向にあったが、夏休みに生活リズムが乱れたこと、スマホの使い過ぎ、学校生活へのちょっとした不満を抱えていたことが重なって二学期が近づくにつれて気が滞るようになった。気の滞り(肝気鬱血)は短期間に熱化して肝火となった。同時に肝気鬱血による火化は陰液を消耗し肝血虚が肝陰虚に移行した。五行の相生関係により肝火は心火を生じ寝つきがわるい・中途覚醒・多夢をきたす不眠となった。
【治法】
清熱瀉火 慈陰養血
ツボ; 内関 太衝 神門 肝兪 腎兪 三陰交 等
【経過】週一ペースで施術を行った。鍼に対する拒絶反応が強かったため、お灸のみの施術をせざるをえなかった。
2診目)寝つきは良くなったが、やはり夜中に何度も起きてしまうため朝起きられない。目が休まらず、首肩こりがツライ。鉄欠乏性貧血改善のため食事やサプリからヘム鉄を摂取するよう勧める。お肉は好きでよく食べている。体内リズムを付けてメラトニンの出を良くするため、朝日を浴びること、朝食を摂ることを推奨。
5診目)寝つきが良くなり朝も早く起きられるようになったがまだ学校には行けていない。首肩足のコリ、頭痛を訴える。
8診目)よく眠れるようになり今朝は7時に起床。頭痛が軽くなった。キーンという耳鳴りがなくなった。身体のあちらこちらが凝る症状は変化なし。
16診目)寝つきの悪い日もあるが、リズムがついて朝決まった時間に起きられるようになった。現在は毎日登校しており勉強の遅れを取り戻しているところ。生理痛が軽くなり日常生活への支障がなくなったため治療終了とした。





202X年2月初診 高校1年 女性
【主訴】肩こり
【現病歴】
中学受験時に大きなプレッシャーを受けてからメンタルを崩しており心理カウンセリングを受けている。ここ3ヶ月は学校に行けていない。抑うつ、吐き気、全身疲労倦怠、頭痛、肩こり、手指のふるえ、動悸、めまい、不眠等の自律神経失調症状がある。最も辛くて改善したいのは、小学五年から続く肩こりと、ここ二年ほどの寝つきが悪く途中で何度も目覚める不眠、起床時から午前中一杯は続くズキズキした頭痛。偏食があり、肉や魚があまり好きではない。食欲がないことが多い。重心がアンバランスになっていて片膝に余計な力が入るのも気になる。体幹はしっかりしているほう。
【不随症状】
・ため息が良く出る
・しゃっくりが出やすい
・舌炎、口内炎(口唇の裏側)ができやすい
・動悸
・ピーという高音耳鳴り
・口が苦い
・口が渇く

【所見】
脈細緊数 舌質淡紅 舌尖赤 舌苔薄白 
【弁証】
肝気鬱血 肝風内動 肝血虚
【治法】
疏肝解鬱 滋補肝血
【経過】
2診目)初診後は3,4日肩こりが軽くなった(今は元に戻っている)肩甲骨間が相変わらず痛い。頭痛は改善なし。夜中に何度も目が覚めるようになった。
3診目)背中の痛みが軽減した。中途覚醒の回数も減って一回になった。頭痛は変化がない。めまいも相変わらず起こる。
4診目)肩こりは相変わらずだが、肩甲骨間からつづく脊柱のコリは無くなった。不眠が続いている。頭痛、めまいは改善していない。この間、学期末試験のため登校している。
5診目)睡眠の質が変化して、以前に比べてぐっする眠れるようになった。肩こり、めまい(立ちくらみ)、頭痛は変化がなく、指のふるえも一回あった。花粉症は例年より早く収まった。
6診目)明日から2年生の一学期が始まる
7診目)新しいクラスがストレスなくなじめており夜も良く眠れる。肩こりもあるにはあるが以前ほどつらさを感じなく乗り切れそうとのことで治療終了とした。





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