2022年11月22日
【症例】足腰の重だるさが趣味のサーフィンで劇的に改善した例
症例など
50代前半 女性 勤務 相談月 202X年 10月
状況
2年前から新型コロナの影響で強くストレスを感じるようになった。その頃より、下肢が重だるく力が入らなくなり20年来の趣味のサーフィンに打ち込めなくなった。ダルさの頻度は、年に1、2回発生し、発生後3ヵ月継続した後に改善、発生中は日内変動があり日中に症状が現れ夜間に消失するといった具合。この夏以降は、日内変動はあるが症状がずっと続いている。今回当院で施術を受けるにあたっては、下肢のだるさを解消して早期にサーフィンを再開する目標を持って来院した。
症状
①下肢(大腿部~踵まで)の重だるさ
②不眠(睡眠導入剤使用、中途覚醒あり)
③便秘(酸化マグネシウム使用)
④ほぼ毎日夜間尿あり
⑤動悸、心煩
⑥足底筋膜炎
⑦頭痛
⑧ストレスがたまっている
所見
脈:細緊 舌:舌質痰紅 舌辺舌尖紅 舌苔薄白 腹診:左天枢
経過
【1診目】
症状①~⑥、脈状および舌診を総合し、肝腎陰虚、心腎不交の腰膝酸軟と判断し滋補腎陰および交通心腎を治法として施術を行った。
【2診目】 「1診後は下肢が軽かったが翌日戻った。不眠と夜間尿は続いている」
引き続き滋補腎陰、交通心腎を治法として施術を行った。
肝兪に平戸式竹筒灸をすると他のツボに比較してすぐ熱さを感じた。
【3診目】 「前回同様、施術後は下肢が軽くなるが、帰宅後に戻ってしまった。不眠と夜間尿は改善してきている」
引き続き滋補腎陰、交通心腎を治法として施術を行った。
左天枢に著明な圧痛と臍上に動悸を認める。腹診により交感神経過緊張状態を確認した。滋補腎陰、交通心腎に加え、肝実処置を行った。
【4診目】「前回同様、施術後は下肢が軽くなったが、翌日に戻ってしまった」
天枢の圧痛が相変わらずキツイ。ストレスも解消されておらず憂鬱が続いている。肝腎陰虚の腰膝酸軟として施術をしてきたが、ここにきてストレスによる肝気鬱血型の腰膝酸軟と判断し舵を切りなおす。疏肝解鬱を治法として施術を行った。
【5診目】「前回施術を受けてからも相変わらずダルさが残っていたが、サーフィンしたいという気持ちが高まって、実際に海に行き波に乗った。するとたちまち下肢のだるさが消失した」
報告のため来院。サーフィンができるようになるという目標を達成した。
睡眠向上のための施術をおこなった。
弁証(タイプ)
肝気鬱血の腰膝酸軟
治法
疎肝解鬱
選穴(ツボ)
内関 太衝 期門 風池 三陰交 陽陵泉 全て瀉法
考察
コロナ禍が始まった2年前からストレスが過大となり気持ちが休まらない状態が続いていた。そのためストレスが蓄積してサーフィンができない程の下肢のだるさを引き起こした。滞った気を巡らせる施術を受けるのと時期を同じくして、ひょんなことをきっかけにストレス改善の兆しをみせた。そのタイミングで思い切って海に行きずっと我慢していたサーフィンをしたところ、一気に改善した。ここで想起するのが古代中国の天人合一思想。天人合一思想とは、「天(自然)と人は理(ことわり)を介して一つにつながっている」という考え方であり、天と人の調和こそが最高の理想であるとされている。サーフィンをする人は天神合一を体現しているのであろうか?
疎肝解鬱により気が巡り、天神合一の気を促したと考えられなくもないが、接骨院で教わったという腸腰筋マッサージをセルフでしていたのも良かったのかもしれない。
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