2022年02月15日
NK細胞の活性を高めるらしい「足三里の直接灸」とは?
灸の効果について
自然免疫をになうNK細胞とは?
NK細胞は、ナチュラル・キラー細胞の略で、血液の白血球を構成するリンパ球のひとつですね。ちなみに血液は赤血球、白血球、血小板と血漿成分で構成されてますよね。免疫には大別して獲得免疫と自然免疫の2種類があり、NK細胞は自然免疫を担う免疫細胞です。NK細胞を発見しイギリスの権威のある科学専門誌ネイチャーに発表した順天堂大学の奥村教授の話がめちゃくちゃ面白くためになり、思わず膝を打ってしまいました~
先生によると、免疫、ホルモン、神経の働きで人間の生命は保たれているとのこと。リンパ球のB細胞は抗体を使ってウイルスを攻撃、キラーT細胞もウイルスを直接攻撃する獲得免疫で、通常はウイルスに感染後発熱して獲得されるもの。B細胞が攻撃に使う抗体はワクチンによって増やすことができます。(最近みんなこれやってますよね!)一方のNK細胞は自然免疫の中心で、マクロファージや好中球が貪食(どんしょく)したウイルスを攻撃し排除します。ウイルスだけでなくがん細胞も高い殺傷能力で排除します。NK細胞はいつも全身をパトロールしていて感染した細胞を見つけては攻撃して排除するのと合わせて毎日再生される人間の1兆個の細胞のうち、5000個の不良品⁼がん細胞をつぶしてくれてもいるのです。これが人間に元々そなわった自然免疫です。NK細胞の少ない人はガンになりやすく、多い人は長生きしているらしいということもだんだんわかってきた。またNK細胞は免疫細胞の中で最もメンタルの影響を受けやすく、NK細胞がガクンと活性を落とすときはストレスや悲しい出来事が影響しているというから驚きです。まさに心身一如です。
NK細胞による免疫とホルモン、神経系の働きで人間の心をも含めた生命は保たれているということですね。そして大事なのは何事も深刻に受け止めず「なんとかなる」という楽観主義をもつことでNK細胞を活性化させ、感染症やガンを抑えるわけですね!笑って暮らすのが一番ということで!
こんな論文見つけました~
nih.govに最近掲載された中国の研究チームの論文要約によると、ラットの足三里ツボへの穀物サイズのお灸が非小細胞肺癌のアドレナリン作動性シグナル伝達を阻害することによりNK細胞の抗腫瘍免疫を促進した、とあります。(PMCID : PMC7957214)
穀物サイズのお灸?
論文中の写真をみると小豆サイズのようですが、お米粒大ならほぼ毎日やっていますよ(笑)
ラットの足三里に小豆大とは酷なはなしですが、どうなんでしょう?
お灸には、倦怠感、 疼痛、食欲不振 、うつ症状等のガン関連症状の治療や化学療法による副作用の緩和に効果があることが知られてはいましたが、今回は穀物サイズのお灸が、アドレナリン作動性シグナル伝達を阻害し、ナチュラルキラー(NK)細胞の抗腫瘍免疫を促進することにより、LLC腫瘍の増殖を有意に抑制することが確認されたとのことです。
世界でお灸が見直される日が近いような気がします。
足三里ツボって?
同論文では、足三里(ST36)は免疫調節、特に神経系と内分泌系と免疫ネットワークに密接に関連する重要なツボ処とされており、特に、熱刺激による瘢痕を生成するお灸は、好中球とリンパ球の比率を効果的に低下させる、とあります。
瘢痕⁼火傷や潰瘍などが完治せずに、隆起・陥没、色素沈着などを伴う痕となって残ること。
直接灸を日課にすると、どうしても、「かさぶた」できちゃいますね!
さて、
足三里の場所を確認しましょう。
膝に自分の掌を当てたときに、中指の先が当たるあたりが足三里です。
このツボは「胃の気」の集まるツボで、主治は胃痛や胸やけ、食欲不振などの胃の症状、めまいやむくみ、疲労倦怠など多岐にわたります。奥の細道で有名な松尾芭蕉は足三里に灸をして旅を続けたと記録に残されています。健脚を維持するためにも足三里のお灸はおススメですね。
足三里の関連ブログはこちら☟
健康寿命と足三里(あしさんり)のお灸
アレルギー性鼻炎・花粉症対策におススメの足ツボ3選
直接灸とは?
お灸には数種類あり、皮膚に直接据えるタイプのお灸を直接灸といいます。皮膚に直接触れないで間接的にするお灸は間接灸といい、せんねん灸タイプのお灸等がありますね。小豆大や米粒大の直接灸は火傷必発ですから、覚悟が必要ですね!
また日本では、火傷になりにくい直接灸として、点灸とか糸状灸といったようにピンポイントの点で皮膚に接する非常に繊細なお灸が発達した歴史がありますね。
半分のお米粒の大きさの直接灸
空気がクッションになっているせんねん灸タイプの間接灸
©トワテック
直接灸の関連ブログはこちら☟
お灸の原料ヨモギについての覚え書き
「点灸」というお灸方法について教えてください。
お灸の可能性ってすばらしいですね!
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